アリス・イン・チェインズのフロントマン、ウィリアム・デュバルほど、アーティストとして多彩なキャリアを持ち、成功を収めているミュージシャンは少ないでしょう。
1983年に10代で結成したアトランタの伝説的ハードコアバンド「ネオン・キリスト」から、西海岸のパワーパンクの巨頭『BL’AST!』での在籍期間まで。90年代前半のロック/ジャズ/エクスペリメンタル・グループNo Wallsでの最先端の活動、1995年にラジオで大ヒットしたディオンヌ・ファリスの『I Know』の共作、2000年代前半のアンダーグラウンド・ロック・ヒーローのシンガー、ソングライター、ギタリスト、プロデューサーとしての役割など、彼の活動は多岐にわたります。ブレント・ハインズ(マストドン)、ベン・ワインマン(デリンジャー・エスケープ・プラン)との2016年のスーパーグループ「ジラフ・タング・オーケストラ」に至るまで、デュバルは35年以上にわたり、独自の地位を築いてきました。
そして、これらはすべて、グラミー賞にノミネートされたアルバムやアリス・イン・チェインズの一員として行った数々のワールドツアーに加えられたものです。
ウィリアム・デュバルの初ソロアルバム『One Alone』は、全編アコースティックでいぶし銀のような出来栄えです。彼の作品のほとんどが、音の重なり合う攻撃的なものであるのとは対照的に、『One Alone』は、深夜の告白のような、リビングルームでのコンサートのような、静かでくつろげる作品となっています。
ウィリアムは、「すべてを剥がす必要を感じた。このアルバムは、厳密に言えば、1つの声、1つのギターだ。シンガー、ギタリスト、ソングライターとしての私の本質を明らかにするものです。」と語っています。アルバムの最初の曲『Til The Light Guides Me Home』は、悲劇を乗り越えた救いの歌です。家族の崩壊にインスパイアされた『Til The Light… 』は、混沌とした世界になりつつある地球について、より大きな示唆を与えているようにも見えます。
『Strung Out On A Dream』『White Hot』『Still Got A Hold On My Heart』などのロマンチックな曲から、『The Veil Of All My Fears』での親友の裏切りまで、それぞれの曲で核心に迫るアコースティックなソロ演奏が展開されています。
失恋、挫折、そして努力して得た英知を表現した『One Alone』は、無限の音楽シーンで独自の道を切り開き続けるアーティストにとって、他では得られない価値をもたらしてくれることでしょう。